今回は、読んだ本の紹介、雑感をつらづらと書いていこうかと思います。
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もくじ
読んだ本
今回ご紹介する本は
『岩田さん ー岩田聡はこんな事を話していた。ー』
- 著者:ほぼ日刊イトイ新聞、糸井重里
- 出版社:ほぼ日ブックス
です。
購入動機
自分もゲーム開発者の端くれなのですが、そんな人にとって「岩田さん」というのは特別な存在です。
訃報を聞いた時も、会った事もなかったですが、1週間くらいは気が抜けたような感じになっていました。
そんな「岩田さん」の様々な言葉が収録されたこの本を読まないわけがないです。
この本を購入しないわけがないんです。
本の目次
はじめに
- はじめに
1.岩田さんが社長になるまで。
- 高校時代。プログラムできる電卓との出会い。
- 大学時代。コンピュータ売り場で出会った仲間。
- HAL 研究所黎明期とファミコンの発売。
- and more
2.岩田さんのリーダーシップ。
- 自分たちが得意なこととはなにか。
- ボトルネックがとこなのかを見つける。
- 成功を体験した集団が変わることの難しさ。
- and more
3.岩田さんの個性。
- 「なぜそうなるのか」がわかりたい。
- ご褒美を見つけられる能力。
- プログラムの経験が会社の経営に活きている。
- and more
4.岩田さんが信じる人。
- アイディアとは複数の問題を一気に解決するもの。
- 宮本さんの肩ごしの視線。
- コンピュータを的確に理解する宮本さん。
- and more
5.岩田さんの目指すゲーム。
- わたしたちが目指すゲーム機。
- まず構造としての遊びをつくる。
- 暴論からはじめる議論は無駄じゃない。
- and more
6.岩田さんを語る。
- 宮本茂が語る岩田さん
- 「上司と部下じゃないし、やっぱり友達だったんですよ」
- 糸井重里が語る岩田さん
- 「みんながハッピーであることを実現したい人なんです」
- and more
7.岩田さんという人。
- わからないことを放っておけない。
- and more
印象に残った所

岩田さん
「判断とは、情報を集めて分析して、優先度をつけることだ」ということがわかったんです。
「そこで出た優先度に従って物事を決めて進めていけばいい」と思うようになりました。
そうやって判断を重ねていったら、物事がだんだんうまく回りだしますから、それはきっと色んな事に適応できる真実なんだろうというふうに感じて、それが社長としての自信につながっていくんですね。

はるねこ
多くのタスクをこなす時、いつも優先度との闘いです。
全部「なるはやで」と言われたとしても、些細な優先度の違いは出てくるものです。
優先度「高」の中でも、またその中で「高」「中」「低」はつけられずはすです。
そうやって優先度をつけてタスクをこなす事が重要だと自分も思いますね。

岩田さん
HAL研究所の社長だったときの面談は、半年に1回、社員全員と話していました。
最初に社員全員と話をしたとき「面談してはじめてわかったこと」がものすごく多かったんです。
それまでも、ふつうにコミュニケーションできていたと思っていた人でも、一対一で面談するとはじめて語ってくれることがある。
変な言い方になりますが
「人は逆さにして振らないと、こんなにも、ものを語ってくれないのか」とあらためて思いました。

はるねこ
自分は「面談」「ヒアリング」
こういったものは「人」と仕事をする上では避けては通れないと思っています。
世の中には色んな人がいますし、肩を突き合わせて話してみないと本音が出ない人もいます。
一対一でお話する事はすごく大切な事だなって思います。

岩田さん
コンピュータの進歩が速いのは、トライアンドエラーの回数が圧倒的に多いからです。
例えば、ハードウェアを製造するときの金型を直すとかいうことになると、何種類かを試すだけでもすごく時間がかかります。
でも、ソフトウェアなら「マリオがどのぐらいの高さでジャンプすればプレイヤーが気持ちよく遊べるか」を1日何度でも試せる。
現実には、パーフェクトというのはまずなくて、トライアンドエラーの繰り返しです。
「あ、ちょっとましになった」「あ、ちょっとましになった」と繰り返しながら、すこしづつよくなっていくわけです。

はるねこ
そういう意味で「調整」「ブラッシュアップ」というのはすごく大事で、こういった事を行う期間が、しっかりスケジューリングされているかどうかで
成果物の面白さ、クオリティというのは大きく変わってくると思っています。

岩田さん
ボトルネックになっているところを直さない限りは、そうじゃないところをいくらなおしても意味がないんですね。
ところが、人は、とにかく手を動かしていた方が安心するので、ボトルネックの部分を見つける前に、目の前のことに取り組んで汗をかいしてしまいがちです。
そうではなく、一番問題になっていることはなにかとか、自分しかできないうことはなにかと
いうことがちゃんとわかってから行動していくべきです。

はるねこ
プログラマーをしていると身に染みる言葉ですね。
バグを例に出すと「根本解決」しないと、目先のバグをとっても意味ないですから。

岩田さん
世の中の面接って、どうして答えにくい事から訊くのかなって思うんですよ。
なぜ答えやすいことから訊かないのかなと。
わたしの経験からいうと、面接官には2通りのタイプがあるんです。
相手をほぐしてから、その人の本性を引き出して、その上で選びたいと思っている人と「ほぐれていないから話せない」というのもその人の社交性だったり、力だったりするから、そのまま評価してしまうという人と。
わたしは、前者です。後者の面接官って可能性を一部しかみてないと思うんですよ。
まずは、ほんとうの自分を表現してもらわない事には、何も始められませんからね。

はるねこ
自分も前者ですね。
面接というよりも、人間関係を構築していく上で、相手の得意分野の話を振ったりする事はよくある事です。
そうして「本性」を出してくれた所で、ようやく本当の人間関係が構築できるような気がしています。

岩田さん
仕事はやっぱり大変だし、嫌なことはいっぱいあります。きっと我慢もしなきゃいけません。
ですけど、おそらく、その人にとって「仕事が面白いかどうか」というのは「自分が何を楽しめるか」
という枠の広さによってすごく左右されると思うんです。
考えようによっては、仕事って、面白くない事だらけなんですけど、面白さを見つける事の面白さに目覚めると、ほとんどなんでも面白いんです。

はるねこ
「面白さを見つける事の面白さ」か。
凄いなぁ、自分は、まだその域には達していない気がします、精進ですね。

岩田さん
どういう時に企画がうまくいくかというと、最初の計画では決まってなかった事を「これ、僕がやっておきましょうか?」というような感じで誰かが処理してくれる時。
そういう人がたくさん現れるプロジェクトは、だいたいうまくいくんです。
逆にそういう現象が起きないときは、例え完成したとしても、どこかに不協和音のようなものがあって、あんまりよくないんですよね。
「こうなりたい」というイメージをチームの全員が共有したうえで、現実的な問題が起こった時、あるいは起こりそうな時に誰かが発見して、自然と解決していく。それが理想の形なのかもしれません。

はるねこ
最終目標というか、チームとして「到達するべき場所」が共有されている事は大事だと思います。
それが共通認識できていれば、おのずと、プロジェクトは良い方向に進む。そう思います。

岩田さん
誰かとつながりながら、何事かを成し遂げようとする時、自分以外の人たち、別の意思と価値観を持って動いている人たちに「敬意を持てるかどうか」っていうのが、ものすごく大事になってくると、わたしは思ってるんです。
自分にはないものをその人が持っていて、自分にはできない事をやっているということに対して、敬意を持つこと。
この敬意が持てるかどうかで、働くことに事に対する楽しさや面白みが、大きく変わってくるような気がするんです。

はるねこ
自分と別の意見を持っているからといって「あの人嫌い」となるのではなく「でも、あの人、自分にできないあんな事ができる」といった所を「見つけて」敬意を払う事が大事だと思います。
自分は過去に「尊敬できる所がない」と、ある人に言われましたが「尊敬できる所を見つけられない」そんな方が可哀そうでした。

岩田さん
余談ですが、わたし、いまよりずっと若いころ、自分がものすごく忙しく感じていた頃に
「自分のコピーがあと3人いればいいのに」って思ったことがあるんです。
でも、いま振り返ると、なんて傲慢で、なんて視野の狭い発想だったんだろうって思うんですよ。
だって、人はひとりひとり違うから価値があるし、存在する意味があるのに、どうしてそんな事考えちゃったのかなって恥ずかしく思うんです。

はるねこ
「自分のコピーがいれば」
誰しもそんな事を考えた事がある気がしますが
お互いがお互いをカバーしあう事に目を向ける事が大事ですね。

岩田さん
本当は得意になる才能を持ってるんだけど「オレは苦手だ、わたしは苦手だ」って本人が勝手に思ってることってあるんですよ。
マネジメントなんか大嫌いで「ものづくり一筋の職人としてやっていきたい」と言ってたような人が
「ひとにものを教えるのは、面白いなぁ」って変わっていくのをわたしは何度も見てきました。
その人自身が気付いてなかった部分を誰かが探すことができた時、人は思いがけない方向に伸びていくとこができるんです。

はるねこ
「得意な事が好きな事とは限らない」とはよくいったもので
特段頑張ってないのにできちゃう事が、その人の「得意分野」だと、何かの本で読んだ気がします。
自分の得意分野は「マネジメント」かな?って思ってます。

岩田さん
あらためてわたしが思うのは、やはり目標を定めるのが大切だという事です。例え、それが前例のない目標だとしても。
単純に、仕様を積み上げていくことを繰り返していくだけだと、どうしてもマージンが重なって大きくなるだけでしょう。
それよりも、やりたいことが明確にあるのであれば「こうしたいんですよ」っていうところから
逆算して目標に向かっていくほうが正しいと思うんです。

はるねこ
> 逆算して目標に向かっていくほうが正しいと思うんです。
「逆算」って大事だと思います。
特にスケジューリングする際、迷うような場面があったら、目標から逆算する事でより精度の高いスケジューリングができるかなと思います。

岩田さん
大きな組織になるほど「今回はこれにこだわると決めた!」みたいなことが必要になってくるんですよ。
だって会社にとって、やった方がいいことなんて無限にありますから。
誰かが方針を決めないとパワーがどんどん分散していくわけです。
だから、宮本さんなり、わたしなりが「これをやりましょう」ってきちんと選ばないといけない。

はるねこ
僕はマネジメントにおいて「放任主義」って好きじゃありません。
それが活きる場面もあるのかなとは思うのですが、組織やチームを率いる状況の際の「放任主義」は無責任かなと思います。
リーダーに値するような人は、チームや組織をあるべき方向に引っ張っていく。間違った方向に向かっていたら軌道修正する。
そういった役割があると思います。そういった中で「自主性」に任せるのは、丸投げでは?

岩田さん
プログラムの経験が会社の経営にいきていることはたくさんあります。
例えば何層にも重なった複雑な問題を単純化してほぐしていく時には、プログラマーとしての経験がものすごく役立っています。
問題を分析するというのは、物事を要素に分けて分解して、その中で「こうすればこれは説明がつくよね」という仮説を立ててくいく事です。
プログラマーは何か問題がある時、それに対して、いくつもの仮説を立てては頭の中で比べるということを日常に繰り返しています。
ですから、複雑な問題に立ち向かう時に、足腰があらかじめ鍛えられているんですね。
経験してきたトライアンドエラーの回数が多いですから、それについては毎日筋トレをしているぞ、という程度の自負はあるんです。

はるねこ
プログラマーには「問題解決能力」が必要ですからね、あと論理的思考力も。
これは、プログラミングに限った話ではなく、幅広い場面で応用できます。

岩田さん
ひとつ思いついたことによって、これがうまくいく、あれもうまくいく……。
それが「いいアイディア」であって、そういうものを見つけることこそが、全体を前進させ、ゴールへ近づけていく。
ディレクターと呼ばれる人の仕事は、それを見つけることなんだって宮本さんは考えているんですね。

はるねこ
自分も「いいアイディア」をポンポン思いつけるようになりたいものです……。

岩田さん
宮本さんの発想の仕方として、すごく面白い事のひとつは「機能から始まっている」という事ですね。
例えば、物語的にこういう人を登場させたいという事ではなく、ここに誰かがいないとつまらない。
という機能としての理由から発想がスタートしている。
その辺りはインダストリアルデザインをやっていた人の発想だなと感じますね。

はるねこ
これは任天堂イズムでもありますよね。
でもこれ、アクションゲームを作るのであれば、一つの最適解かなって思います。
どういうキャラで、どういうストーリーで、というのは後回し。
ユーザーに何を体験させたいのか、どういった遊びを届けたいのか。そこから考える事が大事だと思います。
なので、任天堂のゲームはキャラクター等のネーミングが結構適当だったりしますよね。
それは「機能先行」だからかなと思います。
Amazon レビュー
ファンも、初めて知る人も、おねーさんも。
名刺の上では任天堂経営者であり、頭の中では開発者であり、こころのなかではゲーマーであった岩田聡さんのことばを、ほぼ日編集部がまとめた一冊。
特別収録されている宮本茂さんと糸井重里さんの言葉も含めて、本全体を通して
岩田さんという人の息遣いを感じて、その知恵に刺激をもらい、その優しさに心温まる構成になっている。
ほぼ日や任天堂ウェブサイトの『社長が訊く』などで岩田さんの言葉をいろいろ読んだことのある自分にとっても、買ってよかったと心から思える一冊だった。
この本を通じて初めて岩田さんという人を知る方にとっては、どんなふうに読めるのだろう。
そう思うとまた、それも楽しくなる。友人や同僚、大切な人に贈るのも良いかもしれない。
マヂでビジネスマン必読です。
amazonのおすすめ商品で表示され、今までこういったビジネス啓蒙本は購入した事はありませんでしたが
普段から任天堂さんはお世話になっているので有無をいわず即購入しました。
岩田さんの略歴よりもご本人のマインド、経営ビジョン、ビジネスマンとしてあるべき姿などがすごくわかりやすく丁寧にまとまってます。
各章は経歴とそうなった背景が掲載され その後にちょこちょこと短文で掲載されているのが読みやすく
特に「天才の定義」と思われる一文はDQNとしました。
※岩田さんを初めて知る事も多々掲載
他の方のレビューに新たな内容は無いとありますが
その理由も著者の方がほぼ日の特集サイトに掲載してますね。
異業種の底辺社会人ですが「やっぱりそうなんだ!!」と共感出来る事
「ここはそういう見方があるのか 自分は足りないなぁ」と反省すべき点もあり 半日で読み終わりました
この本を作っていただいたスタッフの方々、糸井重里さん 宮本茂さん 本当に感謝です。
※デザインもシンプルで岩田さんをかわいらしくデフォルメされており 申し分無いです。
岩田聡さん
高潔な意思と信念を持った真の人格者
宮本さんの「上司と部下じゃないし やっぱり友だちだったんですよ」は一番感動!!
もし今もご存命だったら あっと驚く事を世界中に広げているんだなぁと
買ってみて
もうね、ここで取り上げられないくらい、いっぱいいい事書いてあります。
うだうだ言わずに買って読んで!😫
もうそれしか言えないです。
岩田さん、という人物を通して、ものの考え方等を嫌というほどに学べます。
とりあえず、クリエイターの方は読んで損ないんじゃないかなと思います。
もちろん、それ以外の方でも。
それでは今回はこのへんで👋
人のしあわせを考えることを思い出させてくれた
社会人3年目、SEをやってます。
SEを目指したのは、ゲームが好きで岩田さんに出会い、その生き方考え方に傾倒し
自分にも人に寄り添うものづくりがやりたいと思ったからです。
読んで気づいたのは、自分はこんなにも岩田さんを尊敬し、高い目標を掲げてIT業界に入ってきたのに
今はそんな目標を忘れて日々甘えていることでした。
他者を尊敬する、周りの人がハッピーになれるように仕事をする、合理的に考えて自分がやるのが最適と判断したら覚悟を決める。
自分は社会人になって、岩田さんの像から離れてしまっていました。
(中略)
岩田さんが考えていたことはシンプルです。周り人を幸せにすること。
自分は既に、忘れてしまっていたものでした。
ゲームやちょっとしたツールを作って、友人が喜んでくれていた大学時代。
これがものづくりを得意だと認識した時だったことを思い出しました。
多くの人に知ってほしいです。
そして将来の自分に伝えたい。
忘れないでほしい。
周り人の幸せを考え、ゲームに真摯に向き合い続けた人の生き様はここにあります。
自分はこんなところで愚痴を言っている場合ではありません。
今目の前に多くの課題がある中、自分ができることは何かを考える必要があるのだと。